樽をくぐると...
樽をくぐると...樽をくぐると...

樽をくぐると...

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FURNITURE , FIXTURE
バーの入り口に積まれた巨大な「樽」。
ここはウイスキーを楽しむ店だから、樽はアイコンとしてぴったりだ。でも、それだけが目的ではなく、それぞれの樽は、エントランスのトンネル、個室、トイレなどといった機能を持っている。
店の前を通りかかった人はきっと、「あっ、樽だ」と驚く。しかし、こうして自然に「樽」に見えるようなオブジェを、大きなスケールで内装としてつくるのは簡単ではない。プロポーション、色味、素材感、金具と木材の接合部分など、あらゆる点に配慮が行き届いて初めて、自然な樽に見える。
つまり、このユーモラスな樽を支えているのは、ものづくりの技術だ。実は、この店のデザインコンセプトは、「美味しいウイスキーを生み出すために必要とされる膨大な時間と技術の積み重ねを、店内で体感してもらう」ということ。だから、こうした空間を彩る一つひとつの要素は、そのコンセプトをさり気なくお客さんに伝えるためにデザインされているのだ。樽もその一つである。
text by salta