これは、不思議な間取り。
室内（LDK）と屋外（テラス）が、同じ大きさなのだ。面積もプロポーションもほとんど同じ。この「1：1」で存在する内部空間と外部空間は、いったい人の暮らしにどんな影響を与えるのだろうか。
順番に説明すれば、こうなる。
通常の住宅では、室内空間がメインで、そこに小さなテラスが「おまけ」として付いている。けれど、両者がまったく同じ大きさになることで、どちらがメインか分からなくなる。室内空間と屋外空間の主従関係が消える。両者が等価になる。両者が等価になることによって、住み手の意識の中で、「室内での生活を基本として、そこからわざわざテラスに出る」という発想が消える。例えば、「お茶だけでなく食事もテラスでしてみよう」と思えるかもしれない。そうして緩やかに住み手の行動様式を変えていくだろう。