開口部の秘密
開口部の秘密

開口部の
秘密

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郊外に建つ住宅のテラスに設置された開口部。そこに、転落防止の柵が嵌められている。
しかし、ただの柵ではない。モンドリアンの絵画のように、大小の長方形で複雑に仕切られている。この図像には意味が込められているのだ。
何を手がかりにして、この図像が生み出されたのだろうか。それは、この住宅の平面図。中央の印の部分を見てほしい。中央の四つの長方形は、雁行するこの住宅の平面図から借用した図像だ。住宅の平面図というのは、その住宅に固有のもの。だから、この開口部の柵もまた、このプロジェクトだからこそ成立する固有性を持った図像だと言える。
こうした細部にまでさりげなく「ここだからこそ」という固有のデザインが反映されている。そんな空間で日々の時間を過ごすことが、オーダーメイドの住宅で暮らす醍醐味の一つなのだ。
text by salta