PROJECT NAME
E Office
CATEGORY
OFFICE
YEAR
2016
AREA
東京都
OUTLINE
都内のオフィスプロジェクトです。クライアントは、エンターテイメント関連のプロダクション。都心の立地なのに目の前に緑が広がるという恵まれた環境にあります。
確かに、こうして見ると、このオフィスは、海や森などの自然環境をデフォルメしたような気持ち良い空間に見える。
だが、ここで注目したいのは、こうした自然環境のようなオフィスがなぜ必要なのかということだ。それは、自然環境が、人間にとって根源的だからである。
家所亮二は、「ビジネスの仕組みや企業ごとのワークスタイルは、永続的ではなく移り変わっていく。だから、空間設計の拠り所になりにくいのではないか」と考える。
例えば医療システム、教育システム、ワークスタイル、ライフスタイルといった人々の振る舞いの様式は、今日、速いスピードで変化していく。だから、それらを基準に空間を設計すると、空間の耐用年数が短くなる可能性がある。
代わって家所が拠り所としたのは、業種業態のカテゴリーを超えた、もっと永続的で普遍的な要素だ。それが、「身体的な気持ち良さ」である。
「ビジネスの仕方やワークスタイルが変わっても、人間が気持ち良く生活や仕事をできる環境の条件はおそらく変わらない。人間は元来、自然環境の中で生きてきたのだから、そこから得る気持ち良さは、ワークスタイルよりも永続的なはずだ。だから、利用者が身体的に気持ち良いと思える環境を提供すべきではないか」
そう考えた結果、必然的に従来のオフィス空間という固定観念から離れることになり、屋外のような気持ち良さを持ったワークスペースが生まれた。