HOUSE F
PROJECT NAME

HOUSE F

 

CATEGORY
HOUSE
YEAR
2010.06
AREA
埼玉県さいたま市
OUTLINE
住宅が密集するエリアに計画された住宅プロジェクト。
この家は、いくつものテラスに囲まれて、伸び伸びした気持ち良い住空間です。では、どうしていくつもテラスがあるのでしょうか。それぞれのテラスはどんな役割を担っているのでしょうか。
HOUSE F
「HOUSE F」は、住宅密集地に計画された住宅である。そのような立地の場合、二つの問題が生じる。
一つは、住まい手のプライバシーをどう確保するか。隣家や通行人から室内が覗かれてしまっては、困る。
一方で、住宅密集地とはいえ、閉鎖的にするのではなく、屋外空間の自由さと気持ち良さを取り入れた空間にするには、どうしたらよいかという問題だ。
住人のプライバシーを守りながら、開放的な屋外空間を持つ。その相反する二つの要件を満たすための答えが 、この「HOUSE F」では、テラスという中間領域であった。
HOUSE F
HOUSE F
1階では和室に、2階ではリビングに、3階では主寝室と階段室に隣接してテラスが設けられている。これらのテラスが緩衝帯になって、プライバシーを守る。一般的にテラスやベランダは街に対して剥き出しだが、この住宅におけるテラスは、外壁が延長した「外皮」のような白い壁面で覆われているため、外部からの視線が適度に遮られる。
HOUSE F
また、それぞれのテラスは、遊んだりお茶を飲んだりといった何らかの行為を行える大きさを持っているため、日頃室内でしていた行為がテラスにあふれ出す。さらに、それら四つのテラスは、吹き抜けを介して階段状につながり「スキップテラス」を構成している。あふれ出した行為が立体的につながっていく。
テラスというのは、特に用途の決まっていない、言わば何をしてもよい空間だ。いや、さらに言えば、「何もしなくてもよい」空間である。だから、何らかの活動が始まる以前に、例えば、親の寝室に隣接するテラスに子供がぼんやり座っていてもよいし、それを、親が見守っているだけでもよい。そんな「活動以前の活動」すら可能になる。
このテラスは、「余白」であり、「可能性」である。だから「HOUSE F」は、街と住空間の間に、「可能性」という緩衝帯が入った住宅と言えるだろう。
HOUSE F
text by salta