等高線にシンクロする家
等高線にシンクロする家

等高線に
シンクロする家

CATEGORY
APPEARANCE
斜面の敷地に立つ住宅プロジェクトである。なんともユニークなことに、斜面の等高線を手掛かりにして、壁面が立てられている。そして、その壁面が室内の間取りを決定している。
一般的に住宅の間取りは、室内の機能をベースにして決まってくる。「寝室は二つ必要。リビングはこのくらいの広さが欲しい」といった具合だ。その観点から考えると「敷地の傾斜という外的要因に基づいて間取りを決めてしまって良いのか?」と疑問を持つ人もいるかもしれない。しかし、それで良いのである。なぜならこのプロジェクトの施主は、この土地を愛しているのだから。
施主夫妻は、ワイナリーを営むためにこの土地に住もうと考えた。だから、他のどこでもない、この場所を感じながら日々暮らすことが大事なのである。
なお、このプロジェクトほど象徴的でないにせよ、家所亮二は、住宅、オフィス、クリニック、飲食店など、どんな種類の空間を設計する際にも、屋外環境を室内に取り込むことによって、人間の身体に心地良い環境をつくることを得意としている。
text by salta